小児科医の医者冥利に尽きます(1)~突然の手紙
最近、私の父 故坂口茂に関して、感動、感激、ありがたい出来事がありましたので、数回に分けてアップさせていただきます。少し長くなりますが、いいお話です。どうぞ、皆さんぜひお読みください。
本年2月15日、神奈川の○○千尋さんという方から院長の私宛に手紙が届きました。全く存じ上げない方でどういうことかなと開封しました。『』は手紙からの引用です。
『私は60数年前 3歳の時に疫痢にかかり、茂先生に命を助けていただいた者です。亡き母の遺品の中に茂先生からいただいたお手紙が大事に保管されておりました。(中略)残念ながら私には茂先生にお会いしたという記憶がありません。おかげさまに古希を迎えるほど人生を歩ませていただいております。(中略)20数年ぶりに両親の墓参に津市に行きますので、この時にお会いできないでしょうか』
という内容でした。
私も知りませんし、父の時代から長く勤務している師長さんも知らない話でした。お待ちしますと連絡しました。父の命日(2月18日)に間に合うように翌々日お花が届きました。さっそく仏壇へ飾り、報告をいたしました。
なんということでしょう。60数年前の患者さんから連絡が入り、それも父の命日直前とは。奇跡か、父の霊のなせることか、まったくアンビリーバブルです。感動しました。
<少し捕捉します>
疫痢(エキリ)とは細菌性赤痢の最重症型で脱水、けいれん、ショック症状を呈し、死亡率が非常に高い病気で昭和30年くらいまでは死亡することの多い病気であったそうです。特に3歳前後の患者さんが多いとされています。現在はほとんど見ない病気で私も経験はありません。